大人の療育 ~私の場合~(1)


前回の記事から続いて
身体からアプローチする大人の療育について
私の過去の経験から、可能性を探ってみたいなぁと思います。

呼吸法の教室に通っていた頃、
体内の氣のバランスを整えるためにまず指導されたのは、
皮膚感覚を呼び覚ますワークでした。

全身に手を当て、撫でたりさすったりしながら
それぞれの部分で、手のひらの温かさと感触を確かめていきます。

またそれとは別に並行して、末端の感覚を辛抱強く育てていきます。

指導員の方が言うには
現代人は昔と比べて、生活の中で身体を使わなくなっているから
どうしても氣が頭の方に上がりやすい。

だから、特に足の感覚を豊かにして 気を足下におろさなければならない。
足と並んで、様々な役割を果たす手の感覚も重要とのことでした。




氣が頭の方に上がりやすい、というのは
自閉症質者には 特に当てはまるように思います。

自閉症者によく見られる特徴の一つに視覚優位があります。
これは、耳で聞くよりも眼で見るほうが認識しやすいという特性です。
視覚から入る情報を多く取り込んでいるので、
意識がそこに集まりやすいと考えられます。

また、光刺激や音に過敏であったり
先の見通しが立たない状況が非常に苦手だったりするため
ほぼ常に、不安定な状態=脳が忙しく働いている状態なので
顔周りに意識が集中するのは当然だと思います。

私の場合、少しでも圧迫感のある服だと息苦しくなったり
髪の毛が顔にかかるのが不快だったりと
上半身に感覚過敏が集中しているので
氣の偏りは(指導員の方から見て)相当のものだったようです。

それに加えて(視覚優位のためか?)
見えない部分に対しての意識が薄くなる傾向があるので
視線が向きにくい足下の感覚は鈍くなりがちです。
教室に入って数ヶ月が過ぎても、
足指は目で見ないと動かせないほどでした。

過敏になりやすい部分に氣が集まったり
身体にこわばりがあると氣の滞りがおこったりして
巡りが悪くなり、偏りが生じます。
その状態をなんとか修正して、
バランスのとれた、エネルギー循環の良い身体を目指していきます。

やり方として、
過敏な部分はどうしても意識が集まりやすいので
バランスをとるために、鈍感な部分の感覚を呼び覚ますことに力を入れます。

鈍感な部分の感覚が良くなってくると
自然と過敏な部分のこわばりがとれ、
息がしやすくなって疲れにくくなります。

それでも、こわばりが頑固な部分はどうしても固いままで
そこにはまた違ったアプローチが必要になってきますが
足の感覚が良くなるだけでも、それまでと比べて随分楽になります。

私が、能力のある指導者につけたことでとても良かったのは
良い状態を体感させてもらえたことです。

自分としては、それ以前は足の感覚が鈍い(ほとんど無い)状態が普通でした。
趣味の踊りもやっていたし、日常生活でも普通に歩けてはいるのですが
それは半ば無意識的というか、
指導員の基準からすると間違った使い方をしているのです。
足の本来の機能や力を使わずに、頭で足を動かしているようなものです。
それではますます、頭に氣が集まってしまう。
身体の使い方が間違っていると、どんどん悪循環を引き起こします。

そんなふうに、もともとがマイナス地点からの出発なので、
ちょっとした変化でも“できた”と勘違いしてしまいがちで
目標値よりかなり低いところで満足してしまいます。

私が教わっていた指導員は
生徒がどのぐらいのレベルで感覚をつかんでいるのかを
リアルタイムで正確に把握できる人だったので
適当なところで諦めないように、熱心に誘導してくれました。

それがいつでも上手くいく訳ではないのですが
「あともう一息だね」「susuさんはこの部分が重症だね~」などと言ってくれるので
“そうか、これよりもっと上の感覚があるんだな”と分かります。

もちろん、上手く誘導に乗れた時は「そうそう!」と評価してくれます。
何しろ、今までの人生で感じたことのない“未知の感覚”を目指しているので
自分一人で正しい感覚をつかむのはなかなか難しかったなぁと思います。

人生で初めての感覚に喜びが溢れ、涙してしまったこともありました。
足裏に草履の編み目の凹凸ををいきいきと感じた時の感動は、
今でも忘れられません...!
足が生きているって、こんなにも気持ちいいことなんだと知りました。

それまで、気功やリラックス法の本を読んで自己流でやっていたときは
「なんとなくできたつもり」だったり
「気持ち良ければそれでいいや」という程度だったのですが
一度正しい状態を体感すると、
それまでの「なんちゃって気功」とは全く違う世界が広がっていました。

だから、軽度の発達障害で体調不良に悩んでいる人は
足の感覚を豊かにすることを絶対的にオススメします。
それも、限界を決めないで、幸福感を感じるぐらいのところまで
とことんやってみて欲しいと思います。

気功は生半可に自己流でやっていいものではありませんが
足については、意識して悪いことは無いと思います。

闇雲に強い刺激を与えるのは
筋肉を断裂させたりすることがあるので要注意ですが、

・毎日、足の甲から裏にかけて、じっくりと撫でたりさすったりしてあげる
・足指と手指を組んでつかんだり、優しくまわす
・仕事中や作業中も、意識して時々足の存在を思い出して動かす
・靴を履いているときも、土踏まずの感触を確かめながら歩く
・股関節、膝、足首の力を抜いて足裏へ氣を流すよう意識する

これらを根気よく続けていくだけでも、きっと良い変化があると思います。
これと並行して、全身をなでたり、お腹に手を当てて温めるのも良いです。

大事なのは「ただ感じる」ということです。
感じたことについて、ああだこうだ考えることをせず
その感覚をただ楽しむことです。


私もここ数年は
日々の忙しさに紛れてすっかり足の感覚が退化してきているので
ここ数週間、足の感覚になるべく意識を向けています。

そうしたら、今日などはちょっと頭がスッキリして
久々に良い感覚を味わっています。
単に涼しくなったせいかも知れませんけどね^^;


今日は一ヶ月ぶりのクリニック通院です。
少しでもまとまった話がしたいのだけど
こっちの方は色々とっちらかってます...大丈夫かな?
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by susu_canta | 2010-09-24 09:11 | 自分で療育  

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